2度空を飛んだ葉書たち
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押入れの片付けをしていたら、在独中に祖母が送ってくれた絵はがきの束が出てきた。数えてみたら150枚ほどある。そのうち最初の消印が2001年6月13日、最後は2007年10月18日になっているから、平均すると毎年約24枚、つまり毎月2枚ほど。たしかにそのくらいの頻度で送られてきた。

無条件に私のことを褒めちぎる言葉の数々、私がホームページやブログに掲載した写真や文章についての感想などに加えて、まだほそぼそと仕事を続けながらアクティブにあちこち飛び回っていた彼女自身の日々のことが細かく記されている。

書いてなくともつねに漂う、私の身を案じる気持ちをひしひしと感じながら、この祖母らしさあふれる葉書に、どれだけ励まされたことか。当時も受け取るたびに嬉しかったけれど、今あらためて、本当に有り難いことだったなあと思う。

先日、親族で集まって、祖母の米寿のお祝いをした。まだまだ元気だが、認知症で記憶力がずいぶん弱くなってしまった、そんな彼女に、ほとんど日記のように綴られたこの150枚は、いったい何を感じさせるだろう。もらった手紙を差出人に戻すのはあまり趣味の良いことではないけれど、もしかしたら、これを見せることが何か良い刺激になるかもしれないと思った。私の知る限り、彼女には日記をつけるような習慣はなかったから。

とりあえず見やすいように、一枚ずつ消印を確認しながら日付順に並べてファイルした。電子メールならクリック一つで済む作業だが、消印がかすれているものもあったりして、思ったよりも時間がかかった。

しかし同時に、その手間を補って余りある手紙の魅力を強く感じたひとときでもあった。葉書の紙質、形、絵柄、切手、祖母の筆跡、どうしても残る推敲の様子(あとから付け足された言葉の数々)、そして、宛先である私の住所(この間に5回引越をしている)。どれもこれも味わい深い。

2度も空を飛び、今こうして整然と並んでいる葉書たち。これを見た祖母はきっと、開口一番、このように整理した私のことを褒めるに違いない。そんな彼女に、私は、当時十分に伝えられていたとは言い難い感謝の気持ちを、今度こそきちんと伝えなくては。
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by kyuco | 2015-09-04 23:59 | できごとの記録
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