カテゴリ:できごとの記録( 72 )
2度空を飛んだ葉書たち
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押入れの片付けをしていたら、在独中に祖母が送ってくれた絵はがきの束が出てきた。数えてみたら150枚ほどある。そのうち最初の消印が2001年6月13日、最後は2007年10月18日になっているから、平均すると毎年約24枚、つまり毎月2枚ほど。たしかにそのくらいの頻度で送られてきた。

無条件に私のことを褒めちぎる言葉の数々、私がホームページやブログに掲載した写真や文章についての感想などに加えて、まだほそぼそと仕事を続けながらアクティブにあちこち飛び回っていた彼女自身の日々のことが細かく記されている。

書いてなくともつねに漂う、私の身を案じる気持ちをひしひしと感じながら、この祖母らしさあふれる葉書に、どれだけ励まされたことか。当時も受け取るたびに嬉しかったけれど、今あらためて、本当に有り難いことだったなあと思う。

先日、親族で集まって、祖母の米寿のお祝いをした。まだまだ元気だが、認知症で記憶力がずいぶん弱くなってしまった、そんな彼女に、ほとんど日記のように綴られたこの150枚は、いったい何を感じさせるだろう。もらった手紙を差出人に戻すのはあまり趣味の良いことではないけれど、もしかしたら、これを見せることが何か良い刺激になるかもしれないと思った。私の知る限り、彼女には日記をつけるような習慣はなかったから。

とりあえず見やすいように、一枚ずつ消印を確認しながら日付順に並べてファイルした。電子メールならクリック一つで済む作業だが、消印がかすれているものもあったりして、思ったよりも時間がかかった。

しかし同時に、その手間を補って余りある手紙の魅力を強く感じたひとときでもあった。葉書の紙質、形、絵柄、切手、祖母の筆跡、どうしても残る推敲の様子(あとから付け足された言葉の数々)、そして、宛先である私の住所(この間に5回引越をしている)。どれもこれも味わい深い。

2度も空を飛び、今こうして整然と並んでいる葉書たち。これを見た祖母はきっと、開口一番、このように整理した私のことを褒めるに違いない。そんな彼女に、私は、当時十分に伝えられていたとは言い難い感謝の気持ちを、今度こそきちんと伝えなくては。
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by kyuco | 2015-09-04 23:59 | できごとの記録
Jeder Teller hat eine Geschichte.
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皿に歴史あり。

写真の皿は、引越のために荷物を減らしたいという友人から譲り受けたもの。友人はドイツ人で、今週頭に日本を発ち、次なる地へと旅立っていった。

同じ団地の向かいの棟にドイツ人が住んでいることを知ったのが2月頃。何気なく目に入って来た彼らのベランダの洗濯物の中に、2006年のサッカーW杯のTシャツがあって(それ以前から、どこの国の方なのかなあ、と気になってはいたのだが)これはドイツ人に違いない!と確信した。それでもその後しばらく接点はなかったのだが、ある日ひょんなことで出会い、交流が始まった。

それから約5ヶ月。特に濃密な行き来があったわけではなく、ゆるゆるとしたご近所付き合いではあったけれど、「スープの冷めない距離」にドイツ語を母語とする友人がいるということは、それだけで、私の日常にほどよい刺激とうるおいを与えてくれた。楽しかった。

この皿は、彼らがハワイに住んでいたときに、セカンドハンドの店で見つけて買ったそうだ。「とても気に入っていたのだけど、セット6枚全部を持っていくのは諦めようと思う。2枚だけ持っていくので、あとの4枚をもらってくれないかな?」と言われて、喜んでいただくことにした。

皿をひっくり返すと、偶然にも「Made in Japan」とある。ネットでちょっと調べてみたところ、どうやら60-70年代にアメリカで流行したという日本製ブランドMikasaのものらしい。どんな旅を経て、ここまでやってきたのだろう。何をのせてきたのだろう。大切に使いたい。
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by kyuco | 2015-08-01 00:42 | できごとの記録
卯年 2011
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小正月も過ぎてしまいましたが、まずは新年のご挨拶を。皆様、本年もどうぞよろしくお願いします。

しばらく更新をさぼっている間にも、いろいろなことがありましたが、何といっても大きな変化はお腹です。実は、4月に出産を控えていて、年末あたりから一気に妊婦らしい体型になってきました。幸いここまで大きなトラブルもなく、少しばかり仕事のペースをゆるめ、飲酒をお休みしている以外は、以前とほとんど変わらない生活をしています。しかし、そんな生活もあと1ヶ月。産休に入ると同時に、しばし名古屋を離れることになるのですが、ふと気がついてみれば、この地にもそれなりの愛着を抱くようになっていました。

ところで今年、私は年女です。そこで、一つの区切りとして、12年前のことを振り返ってみました。ちょうど、ヨーロッパに留学したいと考えるようになったのがあの年の始めの頃でした。それから昨年までの12年間、これをあえて総括するならば、留学準備から帰国後の仕事まで、そしてその間にスタートした結婚生活も含めて、自分の心の大きな拠りどころが、とにかくドイツにあった12年間だったなあと思います。

今度の卯年は、妊娠出産にともなうあれこれで、いかにも「新たな出発」という心持ちでの幕開けとなりました。ドイツはきっと、これからもずっと私の拠りどころであり続けると思うけれど、その上で、これからの12年間は、次の卯年に振り返ったときにまたもう一つ別の新しいキーワードが色濃く浮かび上がるような過ごし方をしていきたいなあと、そして育児休業中の今年はそのための準備期間にしたいものだと(果たしてそんな余裕があるのか分かりませんが)、そんなふうに思っています。
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by Kyuco | 2011-01-20 00:32 | できごとの記録
COP10
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生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開幕しました。職場の関係でオブザーバー登録をしており、今日は、開会の全体会合を見てきました。写真は、一番上が会場の名古屋国際会議場の外観、二番目は開会前の会場(ステージと各国代表団が座る席)の様子。先進国と途上国の激しい意見対立がある中、皆が共有する大きな目標と課題を再確認したこのオープニングの場は、張りつめて静止したような空気とは違う、動的な緊張感に満ちていました。向こう2週間、合意に向けた交渉の現場も、時間の許す限りオブザーブしてみたいと思っています。最後の写真は、この会議の「名誉大使」であるMISIAによるテーマ曲披露の場面。思いがけず生で歌声を聴くことができたのは幸せでした。
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by Kyuco | 2010-10-19 00:43 | できごとの記録
ごちそう
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明石で買ってきたタコ入りのトマトソース和えスパゲッティと、チーズリゾットの鰻蒲焼きのせ。どちらも絶妙な組み合わせ。
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by kyuco | 2009-08-18 08:39 | できごとの記録
相撲三昧
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「楽しむときは徹底的に楽しむべし」をモットーに、朝稽古見学等で助走をつけて迎えた大相撲名古屋場所13日目。当日は、同僚とともに休みをとって朝から観戦しました。上の写真は、横綱白鵬の土俵入り。美しかったです。
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昼頃までは観客もまばらでした。そして、前半の取組は、力士も行司も発展途上にあるためか、たびたび物言いがついていました。小さな行司が5人の大きな審判衆に囲まれている様子は絵として印象的でした。
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十両土俵入りからあとは、盛りだくさんでテンションがあがるばかり。写真は幕内土俵入りと、結びの一番です。本当にいいものを見ました。じっくりたっぷり堪能したあと、知る人ぞ知る(らしい)ちゃんこ屋さんに行って、この日の締めくくりにふさわしい愉快なひとときを過ごしました。
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by kyuco | 2009-07-25 13:59 | できごとの記録
beautiful life
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生地は粉から、トマトソースはトマトから。全部夫がつくってくれた自家製ピッツァ。美味しかった〜。
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by kyuco | 2009-06-28 21:47 | できごとの記録
いい塩梅プロジェクト
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愛・地球博跡地である「モリコロパーク」の見学会に参加してきた。写真はそのときのもので、旬のヤマモモと、「サツキとメイの家」(中は見ていない)。

* * *

最近ラジオでニュースを聞いていて気になるのが、事件などに関する報道で「・・・であるということが、警察への取材で明らかになりました」という表現。初めてこれを聞いたとき、即座に意味が理解できず、聞き間違いかとさえ思ったのだが、その後何度も耳にして、最近はこういう場面で必ずこの表現を使っているのだということが分かってきた。たしかに「報道機関が警察に取材をして分かったこと」を流しているんだろうけど、なんとも唐突な感じがする。いつの間にこんな言い方をするようになったんだろう。ためしに「警察への取材」で検索してみたところ、似たようなことを言っているこんな記事が出てきた。どういう事情があるのか知らないが、そんなこと言いだしたら、そのうち、なんでも「○○への取材で明らかになりました」と言わなければならなくなるのではないかしら。

ついでに、もう一つ。オンライン新聞の、インタビュー記事や、「首相ぶら下がり」などの取材の記事の書き方が非常に気になる(というより不快である)。たとえばこれ。総理大臣と記者のやりとりが「詳しく」書かれているというが、実際には、総理大臣の言葉が一言一句逃さず「テープおこし」状態で書かれているだけである。こういう「正確さ」は、報道において求められる「詳しさ」とイコールではないと思う。私も素人ながら、人にインタビューをしてそれを記事をまとめるという作業をしたことがあるので、なんとなく分かるのだけれど、録音をおこしたまんまのものを文字で読むと、音声で聞くのとはかなり印象が異なる。対話の中身や、その対話によってひしひしと伝わってきた相手の印象を「正確に」伝えようと思うからこそ、テープおこしをしたものに手を加えることが必要になる。もっとも、そのまま掲載することでネガティブな印象が強調されることを狙った、「あえて」の手法なのかもしれないけれど、そういうやり方って、いやらしいだけじゃなくて、手抜き仕事だなあ、という気がする。おまけに、上にあげた例に至っては、この内容の記事に、「ムーンウオークはちょっと記憶ないけど」という、小学校の国語の授業などでやった記憶がある「この文章に題名をつけなさい」あたりからやり直してほしい感じのタイトルがついている。これも、問いただせば「意図的」ってことになるんだろうけど、「意図的」で認められることにも限度というものがあってしかるべきではないかしら、と思う。

* * *

先日、青年海外協力隊の活動でガーナに旅立つ妹に何か良い料理本を持たせたいのだけど・・・と母が言うので、本屋であれこれ見てみたところ、これだ!と思うものに出会った。私自身、ドイツにいたときに日本の家庭料理の本を1冊持っていたのだけれど、食材といい調味料といい、現地では入手困難もしくは高価なものがちょこちょこ紛れ込んでいると、なかなか作ろうという気にもならないもので、事実上「観賞用の写真集」だった。そんなものをあげてもなぁ・・・と思っていた私の目に飛び込んできたのは、「らくしておいしい塩味レシピ」。通常、醤油で味付けするものだと思われている煮物も炊き込みご飯も、塩だけでこんなに美味しくできるんですよ、という内容のもので、これはいい、と思った。塩だったら、世界中どこでも手に入る。しかも、塩加減というのは簡単なようで奥が深い(と私は思っている)。こんな機会に、塩を極めるのも悪くないのではないかしら。・・・と考えるうちに、自分の方がトレーニングしたくなって、妹が発った翌日、自分にも1冊購入した。2年後、妹が大きく成長して帰ってくる頃には、「いい塩梅」を心得た姉になっていたいものである。
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by Kyuco | 2009-06-27 18:40 | できごとの記録
スパンコール
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コメントのお返事をさぼっております。ごめんなさい。する気はあるので、気長にお待ちください。

さて、当初3月末日までのつもりで働き始めた現在の職場に、今年度もお世話になることになりました。そのことが決まったのは何ヶ月も前の話なのですが、その関係でつい最近名古屋市内で引越をしたことと、年度の変わり目の忙しさが重なったことで、ここしばらくは猛烈にバタバタしておりました。(今もバタバタのさなかです。)

写真は、今回の引越で実家から持ってきた荷物の中に入っていたもの。子どもの頃、とても大事にしていたスパンコールです。ああ、懐かしい。これを見るだけで、あの頃の少女的ときめきが鮮明に思い出されます。ちなみに、下に敷いた白い刺繍入りの布も当時の宝物です。
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by Kyuco | 2009-04-08 01:44 | できごとの記録
ある夜に
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ドイツ暮らしも、残すところ1週間となりました。いろいろな気持ちが綯い交ぜになって、くうぅぅぅぅっ!と心の中で繰り返し叫ぶ日々を送っています。7年半ドイツにいたので、最後の1週間は毎日1年分ずつの回想録でも書いてアップしよう、なんて考えていたこともありましたが、実際その「最後の1週間」を迎えてみると、残念ながらそんな余裕は全くなく・・・。この綯い交ぜ状態をさらにぐちゃぐちゃさせながら、飛行機に乗り込むことになりそうです。

さて、そんな中、久々に撮った写真がこれ↑です。昨晩、引越の荷造りをしていたら、夜中の12時過ぎになって我が家の前が騒がしくなりました。若い男の子が大勢で遊んでいる様子。ときどき「ウォー!」という歓声があがります。うちの前は公園になっていてバスケットボールのコートがあるので、もしかして、こんな時間にバスケ?と思いましたが、考えてみたらボールの音がしない・・・何をしているのだ?と気になって、部屋の窓のシャッターを少しだけ上げてコソっとのぞいてみたところ、高校生くらいの男の子が20人ほど集まり、路上で「自転車でどれだけのスピードが出せるかゲーム」に興じていることが分かりました。

実は最近、うちの前の小さな交差点に自動車用の速度測定装置が設置されたんです(写真にも写っていますが、スピード違反対策として「あなたは今時速○○キロで走っています」というお知らせをする装置です)。この辺りは、構造的に「うっかりスピードを出してしまう場所」というわけではないため、なぜこんな場所に???と、近隣住民の間ではハテナマークの飛び交うシロモノだったのですが、若者たちは、設置後2週間という早さでこの無用の長物に目をつけ、その「無用さ」を最大限に生かして遊んでいたのでした。

真夜中に外で騒ぐのは近所迷惑ではあるけれど、なかなか健全な遊びではないか・・・と目を細めながら(←私もいい歳になったね)しばらくこっそりと観戦(?)し、時速35kmの記録が出て最高に盛り上がったところもバッチリ写真に収めましたが(画面中央あたりに走者が「びゅっ」となって写っている)、その後まもなく、誰かに怒られたのか、あっという間に皆がばーっと散っていきました。ま、苦情が出て当然なのですが、個人的には、いいものを見た、という爽やかな気持ちになりました。
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by kyuco | 2008-10-05 20:48 | できごとの記録


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