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Landeskunde
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今年の秋もしくは来年の春に挑戦してみようと思っているドイツ語試験、その試験項目の一つにLandeskundeがある。日本語では「地域研究」「郷土研究」などと訳されるもので、要するにその「地域」の歴史や文化を扱う分野のこと。この試験では事前に何冊かの課題図書がリストアップされていて、受験者はその中から少なくとも2冊の本を読んでおかなければならない。(試験当日は持ち込みナシで本の内容を正しく理解することができたかが問われるらしいのだが、私はまだ準備をはじめたばかりで、具体的に何がどんなふうに問われるのかはよく分からない。)

昨日までに読まなければならなかった本というのは、その準備コースで出された課題で、Peter Haertlingという人の書いた伝記的小説『シューベルト』だった。

準備コースの課題、と言っても、今年の試験のリストに入っている正式な課題図書の一つで、なかなかスラスラとは読めない骨太な本だった。シューベルトの生涯には大して詳しくなくても幾らか音楽を知っていて興味もある私は意地で(?)なんとか読み通したが、興味のない人にとっては拷問以外のなにものでもないだろうなぁ・・・と思っていたら、案の定、昨日のコースでは読み終えている人の方が少なかったため、これについての授業は来週に持ち越しとなった。とほほ。

閑話休題。リストの中に『シューベルト』が入っていることを知って、まず思ったことは、あぁ、「Land(地域、郷土)」ってドイツ連邦共和国ではなくてドイツ語圏のことなのね、ということだった。この試験をとりしきっているのはドイツ政府の委託文化交流機関ゲーテ・インスティトゥートとバイエルン州立のミュンヘン大学なのだけれど、なるほど、そのLandeskundeにはウィーン近郊に生まれ31年の短い生涯をほぼずっとその辺りで過ごした「オーストリア人」シューベルトもとりあげるのね、ということ。

深く考えるまでもなく、ドイツ語試験で問題にする歴史や文化を「ドイツ連邦共和国」で区切ろうとする方が無茶というものなのだけれども。それでもふと新鮮さを覚える自分、逆に言えば、どこかで国と言語文化圏の一致を当たり前に思っている自分がいる。オイローパ。ああオイローパ、オイローパ。

* * *

写真は、先日立ち寄った文学館のカフェにて。『シューベルト』を読みながらカプチーノを飲み干すと、ごらんの通り、カップに「Mehr Erotik, bitte!(もっとエロティシズムを!)」と言われました。いや、あの、シューベルトはまだ3歳になったばかりなので・・・。
by kyuco | 2007-01-17 20:32 | 言語と文化
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