日帰りでルール地方のEssenという街に行ってきた。写真は全て、まちのはずれにある工業地帯跡で撮ったもの。世界遺産にも指定されているZollverein炭鉱産業遺産群である。2003年11月に一度、研究室の見学旅行で訪れたことがあり、そのときにとても強烈な(良い)印象を受けたので、帰国前にもう一度ゆっくり見にいきたいと思っていた。(実は、そのときの感想がホームページの方に残っているのですが、何年も前に書いた自分の文章は赤面モノであるため、リンクをはるのはやめておきます・・・。笑)
2008年6月、ようやく再訪の機会に恵まれ、晴れ空の下(「ゆっくり」とは言いがたいスケジュールだったものの)敷地内をぐるっと歩いてみて、さらに好きになった。4年半の時間を経たせいか、以前よりも空間を構成するエレメント同士の馴染み加減が増して、雰囲気に深みが出てきた気がする。とても居心地が良かった。そして、このプロジェクト規模(敷地の大きさという意味でも、コスト面でも)、わざとらしさを感じさせない「つくりこみ」のセンス(遺す、放置する、手を加える、育てる・・・の絶妙なバランス)、訪問者側にある価値観(オープンスペースの捉え方、利用の仕方、ルール地方にこびりついた過去のイメージとその転換)など、どれが欠けても、この感じは出てこないんだろうな、と思った。